禊を終えると、蓮華峯寺観音堂の階段を昇る。まず、荒神の祠に行き、閼伽水と榊を供え、三礼をし、法螺貝を吹く。それから二体ある地蔵に閼伽水と(しきみ)の花を供えて、それぞれに蝋燭二本と線香三本を立てる。三礼し、地蔵菩薩真言を二十一回唱えた。それから拍手を三回打ち、二礼二拍一礼をして、三礼、法螺貝を吹く。これを月二回、一日と十五日におこなった。
樒(しきみ)はときに高野槙になることもあった。
樒や高野槙は山に自生していた、ときどき隣山の蕪山に採りにいった。 観音堂に入り、結跏趺坐をして法螺の儀を唱える。それから山伏問答を読み上げ、法螺貝を吹き、三礼をした。護身法を切り、すり念珠をして、錫杖を振りながら、懺悔文、開経偈を唱え、三帰、三竟を三遍、十善戒、消災呪(しょうさいしゅう)を三遍、神仏をたたえる回向文を唱え、大悲呪(だいひしゅう)を一巻読み、先祖の霊をたたえる回向文を唱えた。それから大日如来真言を七回、不動真言を七回、大師法号を七回唱える。観音行を一巻、光明真言を七回、舎利礼文を一巻、本覚讃を一遍、四弘誓願文(しくせいがんもん)を三遍、総回向を唱え、すり念珠、三礼、法螺貝を吹き、観音堂をあとにする。
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