2009年6月5日金曜日

9. 孤独 2

子供の頃、祖父と山に入り捕まえては焼いて食べたマムシだが、もう彼らを食べたいとは思わなかった。彼らは私の修行中の孤独を慰めてくれる貴重な友達であった。

沢でいつも私が通るたびに鳴いて迎えてくれるガマガエルも友達だった。いつもの場所にいないと不安になって姿を探した。そして姿を見つけると、ほっとして、嬉しくなった。

小鳥の囀りも、姿がみえなくても、声を聞くだけでいつもどの鳥の鳴き声かわかた。その鳴き声は、私に声をかけてくれているのだとわかった。



私は動物達に接しながら、逸外老師に与えられた公案の答えを考えていた。「犬にも仏性があるか」という「問い」は、そのまま動物達にもあてはまった。私は彼らにも仏性があると思うようになっていた。彼らと親しむことは修行の楽しみとなった。

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