2009年8月27日木曜日

裏高野山 5

阿闍梨は私と同じように全国を歩いていた。私が行った場所のことを話すと、「あまり寺ばかりに行ってもしょうがない。山を歩きなさい。そして山にある神社に行きなさい」と助言してくれた。阿闍梨の父は山伏で、阿闍梨も子供のころから山に入っていたという。
優婆塞の修験者として修業を続けていたが、五十歳の時に高野山に入り、そこで阿闍梨となった。高野山では彼を管長にしようという動きもあったと聞く。しかし、阿闍梨は権力争いに嫌気がさし、下野した。故郷が東北にあり、実家に妹さんが一人で住んでいた。晩年は度々帰郷することもあったようだ。

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