剣道とともに私がこの短大時代に熱中したことに、茶道がある。
茶道は大学の必修科目であった。そもそも茶は、臨済宗の開祖である栄西が中国から日本にもたらしたもので、茶道は臨済禅と密接なかかわりがあった。
授業で道前宗雪尼という年配の尼僧の方が茶道を教えたが、私は日曜日にもその尼僧寺に通って習うほどの熱の入れようだった。私は茶道部の部長も務めた。
正眼寺では毎年正月に正眼茶会を主宰していたのだが、これは岐阜県下でも一番大きな茶会であり、正眼寺の名物行事であった。
この茶会の実務を取り仕切るのが正眼短期大学の茶道部であったので、その責任は大きかった。この茶道部は、この地方にある他の大学の茶道部にも有名だった。
他の大学の文化祭で茶会に招かれた際に、衣を着て現れ、黙々と茶を立て、凛として立ち去る姿は、他大学のお遊びのようなサークルとは一線を画していて、一目置かれていた。私以外の学生たちもみな茶道に真剣に取り組んだ。
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